左冠動脈回旋枝末梢に認められた孤立性冠動脈瘤の1例
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概要
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症例は73歳, 女性. 1996年より心不全·高血圧·心房細動にて, 当科外来に通院中であったが, 2006年10月ごろより労作時に胸部圧迫感を自覚するようになり, 2007年2月精査目的で当科に入院した. アデノシン負荷Tl心筋シンチグラフィ上, 前壁中隔から心尖部にかけて集積低下を認め, 同部位に再分布を認めた. 冠動脈造影では, 左冠動脈前下行枝および右冠動脈に75%狭窄を認め, また, 左冠動脈回旋枝末梢に, 直径4mm大の状冠動脈瘤を認めた. 左前下行枝75%狭窄に経皮的冠動脈インターベンションを施行し, 胸部圧迫感は消失した. 冠動脈瘤に関しては, 外科的手術やコイル塞栓などのカテーテル治療を検討したが, 破裂の危険性が不明であること, 血管が細く治療に伴う冠閉塞や冠動脈穿孔の危険性が高いと考えられたことから, 経過観察とした. 本症例の冠動脈瘤は, 冠動脈側枝の末梢という稀な部位に存在しており, 治療方針の決定に苦慮したので報告する.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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藤田 雅章
Division of Cardiology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center
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竹中 孝
Division of Cardiology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center
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蓑島 暁帆
Division of Cardiology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center
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井上 仁喜
Division of Cardiology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center
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杉山 英太郎
Division of Cardiology, National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center