台湾における視覚障害者日常生活状況尺度作成の試み
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概要
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本研究では、台湾の視覚障害者の日常生活における適応状態をとらえるために、個人と環境の相互作用の適合性の視点から、「視覚障害者日常生活状況尺度」の作成が試みられた。そこで、視覚障害者の日常生活における基本的な5側面(歩行、情報収集、身辺処理、心理状況、人間関係)別に項目を収集し、台湾に在住の視覚障害者147名に対面による質問紙調査を行った。その結果、信頼性については、「身辺処理」の側面以外の4側面を測定する下位尺度の等質性と内的一貫性が確認された。一方、これら4下位尺度の妥当性を検討するため、WHOQOL-BREF台湾版尺度に含まれる4下位尺度との相関関係を求めたところ、各下位尺度の構成概念妥当性が支持された。さらに、各下位尺度に及ぼす個人的特性の影響を検討したところ、どの日常生活状況の側面においても、職業の有無が強い影響を及ぼしており、日常生活への適応においては職業の果たす役割の大きいことが示唆された。