保険会社のERMと監督当局の関係
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概要
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保険会社のERMの目的は,保険会社が自らの健全性を確保しつつ,企業価値を持続的,安定的に向上させることであり,本来は外部から促されて実行するのではなく,保険会社が自己管理の一環として行うべきものである。それにもかかわらず,監督当局がERM に注目するのは,企業価値の安定的な向上が契約者保護に資するという考えによる。多くの保険会社においてERMの構築は初期段階にあることを踏まえ,金融庁は「促進」型の検証を行い,当該保険会社にとって重要なリスクを踏まえ,細部にこだわらず,大くくりで検証することを目指している。さらに,保険会社の健全性規制のなかでERMを活用することも検討していくべきと考えている。