難治性帯状疱疹後神経痛に対して抗凝固療法中断下に高周波熱凝固を行った1症例
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概要
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抗凝固療法中の帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia:PHN)に対する高周波熱凝固によって良好な除痛を得られた症例を報告する.症例は75歳女性で,既往に間質性肺炎,肺気腫と肺塞栓症があり,肺塞栓症に対してヘパリンとワルファリンによる抗凝固療法中(prothorombin time-international normalized ratio:PT-INR;1.2前後,activated partial thromboplastin time:APTT;45~50秒)であった.肺塞栓症を発症する前のPHNに対する硬膜外および神経根ブロックが有効であったため,高周波熱凝固神経根ブロックを予定した.ワルファリンは術3日前,ヘパリンは術6時間前に投与中止とし,APTTおよびPT-INRの値,血小板数が正常範囲内であることを確認後,第11,12胸椎(Thoracic:Th11,12)神経根へ高周波熱凝固を行い,良好な除痛を得ることができた.ヘパリンはブロック後3時間に開始したが,合併症なく良好な経過をたどり,抗凝固療法中でも神経ブロックは選択肢の一つとなりうる.
著者
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槇田 浩史
東京医科歯科大学 大学院心肺統御麻酔学
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舛田 昭夫
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔・蘇生・ペインクリニック科
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槇田 浩史
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科
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舛田 昭夫
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科
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池田 衣里
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科
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大谷 良江
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科
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大畑 めぐみ
東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科
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