膵癌の十二指腸浸潤による出血に対し,大動脈閉塞バルーン挿入法を併用した内視鏡的止血術にて止血し得た1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は71歳男性,黒色便と意識障害,ショック状態にて搬送された.内視鏡検査を行い,十二指腸球部前面に潰瘍病変と露出血管を認めた.クリッピングによる止血術を施行直後に視野が確保できないほどの噴出性出血となり,ショックを呈した.そこで血圧維持のため大動脈閉塞バルーン(intra-aortic balloon occlusion,IABO)挿入法を施行した.上半身の血圧維持と出血部の血流遮断効果にて,内視鏡視野が良好となったため止血術を再開,完遂させることに成功した.その後,出血部は膵癌による十二指腸浸潤と判明した.IABO挿入法が出血性ショックを伴う内視鏡的止血術の施行に際し,血圧の維持と同時に内視鏡的止血術の補助として有効であった症例を経験した.
著者
-
加藤 慶三
成田赤十字病院内科
-
鹿島 励
成田赤十字
-
藤浪 斗
富山大学 医学部第三内科
-
山田 正明
成田赤十字病院内科
-
藤本 誠
富山大学 和漢診療科
-
梶浦 新也
富山大学 第3内科診療部門消化器内科
-
山田 一樹
藤聖会八尾総合病院 内科
-
田中 三千雄
桜井病院 内科
-
山田 正明
成田赤十字病院 消化器内科
-
鹿島 励
成田赤十字病院 消化器内科
関連論文
- 人間ドック・集団検診の免疫学的便潜血検査を契機に診断された炎症性腸病患の臨床的検討
- 18. 小腸大腸型クローン病の経過中に潰瘍性大腸炎様の所見を呈したindeterminate colitis (IND)と思われる1例(第1016回千葉医学会例会・第二内科例会)
- GERD診断の新たな非侵襲的検査法 : modified Glucose Clearance Test の有用性
- 上部消化管出血性潰瘍の原因の経年的推移
- 漢方からみた冬季の高齢者治療 (特集 冬季における高齢者の診療)
- 抗体反応測定法 (今月の主題 Helicobacter pyloriの診断と臨床応用)
- 宿主因子からみた細胞傷害機序 (特集 Helicobacter pylori Now--基礎・臨床の最新研究) -- (H.pylori病原因子・細胞傷害機序)
- Acute respiratory distress syndrome に至ったが, 救命しえた健常成人に発症した新型インフルエンザ肺炎の1例
- チオプリン製剤投与により急性膵炎を発症した炎症性腸疾患の2例
- Serotype 2 型高HCVRNA量のC型慢性肝炎 naive 症例における投与初期の反応性に基づいた Peginterferonα-2a 単独もしくは Ribavirin 併用の Response-Guided Therapy
- infliximab 投与により薬剤誘発性ループスを発症した潰瘍性大腸炎の1例
- 膵癌の十二指腸浸潤による出血に対し,大動脈閉塞バルーン挿入法を併用した内視鏡的止血術にて止血し得た1例
- 膵癌の十二指腸浸潤による出血に対し, 大動脈閉塞バルーン挿入法を併用した内視鏡的止血術にて止血し得た1例