関心領域外の先見情報を用いたインテリアCT再構成
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概要
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CTの画像再構成において現れるインテリア問題では,解を一意に定めるのに関心領域(ROI)内の小領域の先見情報が必要である.本論文では,先見情報を与える領域がROIの外部にある場合でもインテリア問題の解が一意に定まる場合があることを示し,そのための先見情報領域の幾何学的条件を導出する.その条件とは,E線と呼ぶ以下の2つの幾何学的条件を満足する直線が存在することである.1つ目の条件は,E線が先見情報領域とROIの和集合に含まれることである.2つ目の条件は,E線がROIと交差することである.そして,この条件が満足される場合に具体的な画像再構成を行う手法を提案する.提案手法は,2つのステップの処理から構成される.第1ステップでは,E線に沿って先見情報を利用してヒルベルト逆変換を行い,E線とROIが交差する部分の画像再構成を行う.次に,第1ステップで得られた交差部分を先見情報として,インテリアCTの画像再構成に使われるDBP-POCS法を適用してROI全体の画像再構成を行う.このROI外に先見情報を与えるインテリア問題の厳密な解法は,従来のROI内に先見情報を与えるインテリア問題の厳密な解法の拡張になっている.数値実験を行い提案手法の有効性を示す.
著者
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工藤 博幸
Division of Information Engineering, Faculty of Engineering, Information and Systems, University of Tsukuba
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王 朕
Department of Computer Science, Graduate School of Systems and Information Engineering, University of Tsukuba