東日本大震災における運動を活用したこころのケア活動:岩手県大槌町での実践
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概要
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目的:運動がメンタルヘルスを改善することは多くの研究で示されてきた.そこで我々は東日本大震災における支援活動の一環として,運動を活用したこころのケア活動を行ったので,その活動内容と有効性について報告することを目的とした.方法:運動は,被災者の疲労の緩和およびリラクゼーションを目的として行われ,ヨガなどのボディーワークが中心であった.被災者自身で実施(セルフケア)できるよう,簡単かつ効果を実感できる運動を用いた.運動支援活動は岩手県上閉伊郡大槌町にて2011年4月~6月に行われた.結果:期間中に支援を受けた被災者の延べ人数は653名であった.詳細な調査を行うことは困難であったものの,この運動支援によって多くの被災者の身体症状(腰痛,膝痛,肩こり,高血圧など)が緩和され,表情の変化が観察された.考察:運動による身体のケアがこころのケアに繋がることは,東日本大震災の被災者においても確認された.大規模災害時のこころのケアの一手段として,運動は有用であると思われる.
著者
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泉水 宏臣
(財)明治安田厚生事業団体力医学研究所
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柳澤 弘樹
(財)明治安田厚生事業団体力医学研究所
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甲斐 裕子
(財)明治安田厚生事業団体力医学研究所
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江川 賢一
(財)明治安田厚生事業団体力医学研究所
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永松 俊哉
(財)明治安田厚生事業団体力医学研究所