透析中の急性腹症より診断に至った腎周囲血腫の1例
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概要
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症例は56歳,男性.糖尿病性腎症により末期腎不全に至り,7年間の透析歴がある.2011年,透析中に突然の血圧低下と右側腹部痛をきたし,腹部造影CTにて右腎周囲血腫を認められた.右腎下極の責任血管に対し腎動脈塞栓術を行った.第2病日には右側腹部痛は軽快し,第16病日退院となった.外来にて3か月後の腹部CTを行い,腎周囲血腫の軽快を認めた.腎周囲血腫の原因として外傷,腎癌,腎嚢胞などがある.本症例では冠動脈バイパス術後から内服しているアスピリン以外に明らかな誘因は考えられなかった.このように,維持血液透析患者における急性腹症の鑑別として,腎周囲血腫は重要であり,今後もCTによる定期的な画像的評価が必要であると考える.
著者
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小河原 悟
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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伊藤 建二
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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笹冨 佳江
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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安部 泰弘
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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渡邉 廉也
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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安野 哲彦
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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三宅 勝久
福岡大学腎臓・膠原病内科学
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真島 悟
福岡大学放射線科
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中島 衡
福岡大学腎臓・膠原病内科学