アクセスとなる血管を温存するために::前腕における動脈表在化
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概要
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限りがあるバスキュラーアクセス(vascular access:VA)に使用できる血管を,有効に使用していくために,VAとしての橈骨動脈表在化アクセスの有効性を検討した.超音波断層法にて,橈骨動脈の開存,動脈硬化の程度,太さを検討した.橈骨動脈の内側に切開をおき皮下を剥離し,筋膜に達する.橈側手根屈筋と腕橈骨筋の間を剝離し,橈骨動脈を周囲より剥離していく.動脈剥離後,筋膜を縫合し後壁を作製する.5例の橈骨動脈の表在化を行った.2例に初回アクセス作製時に心不全があり,2例に内シャント再建時に,バックアップアクセスとして作製した.1例は再建時に前腕に良好な静脈がないため,前腕で表在化した橈骨動脈より脱血し,肘窩の静脈に返血した.症例1,症例4,症例5は,橈骨動脈より250 mL/minの脱血ができ,十分な透析ができた.前腕での橈骨動脈表在化はVAとして有効であり,アクセスとなる血管の温存のために役立つと考えられた.
著者
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杉浦 清史
Hemodialysis Clinic Taishoubashi
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秦 健一郎
Division of Urology, Ohno Memorial Hospital
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山本 晋史
Division of Urology, Ikuwakai Memorial Hospital
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和田 誠次
Division of Urology, Daiichi Towakai Hospital
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舟尾 清昭
Division of Urology, Ohno Memorial Hospital
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杉田 省三
Division of Urology, Ohno Memorial Hospital
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吉本 充
Division of Urology, Ohno Memorial Hospital