ホットフラッシュに陰証の方剤が奏効した1例
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概要
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ホットフラッシュに陰証の方剤が奏効した1例を報告する。症例は56歳の女性で,閉経後に顔面のほてりと発汗を認めるようになった。加味逍遙散と苓桂朮甘湯で治療を開始したところ,ホットフラッシュはやや改善したが,疲れた時に増悪した。そこで証を再考し,陰証で虚証と考え小腹不仁が著明であったため,八味丸に転方したところホットフラッシュはほとんど出現しなくなった。しかし疲れやすく,疲れた時にホットフラッシュが増悪したため,心下痞鞕を目標に人参湯を併用したところ,疲れにくくなりホットフラッシュは出現しなくなった。ホットフラッシュには陽証の方剤が有効な場合が多いが,病態に応じて陰証の方剤も考慮すべきと思われた。
著者
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本間 行彦
北海道漢方医学センター・北大前クリニック
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村井 政史
北海道漢方医セ 北大前クリニック
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大塚 吉則
北海道漢方医学センター附属北大前クリニック
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伊林 由美子
北海道漢方医学センター附属北大前クリニック
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八重樫 稔
北海道漢方医学センター附属北大前クリニック
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今井 純生
北海道漢方医学センター附属北大前クリニック
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