91歳で発症し94歳で再燃した超高齢潰瘍性大腸炎の1例
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概要
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症例は94歳,男性.91歳時に潰瘍性大腸炎(以下UC)を発症し,左側大腸炎型,軽症例として加療を行い寛解状態であった.2年3ヵ月後の94歳時に再び下血をきたし,全大腸炎型の中等症でのUCの再燃として入院となった.入院後内服加療を行ったが,治療抵抗性であり,入院2週間後に誤嚥性肺炎を併発し,23病日目に他病死した.近年高齢発症UC患者には全大腸炎型重症例の報告や寛解再燃型も散見され,基礎疾患や免疫力の低下のため治療に難渋し,他病死することもあるとされる.医学中央雑誌およびPubMedにて高齢発症(onset in elderly)および潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)をKey wordに文献を検索するに90歳以上で発症した報告例はない.今回われわれは91歳で軽症型の左側大腸炎型で発症し,94歳にて中等症の全大腸炎型で再燃したUCの1例を経験したので報告する.