逆行性経静脈的塞栓術とストーマ再造設を施行した回腸ストーマ静脈瘤の1例
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概要
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症例は73歳女性.41歳時直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術,57歳時多発結腸癌に対し結腸全摘術および回腸人工肛門造設術の既往あり.また合併症としてC型肝炎を認めた.68歳時より回腸ストーマ周囲より出血を繰り返すようになった.72歳時出血の量および頻度ともに悪化傾向を認め,腹部造影CT検査で回腸ストーマ周囲に静脈瘤の形成を認めた.逆行性経静脈的塞栓術を施行したが,1年後に再出血をきたしたためストーマ再造設を施行した.現在軽度の出血を繰り返すが,保存的に軽快するため経過観察中である.門脈圧亢進症の原因として,ウイルス性肝炎が多い本邦においては,肝予備能および生命予後の点から過大侵襲を避けた治療選択が重要である.
著者
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曽田 均
Department of Surgery, Social Insurance Yamanashi Hospital
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富岡 寛行
Department of Surgery, Social Insurance Yamanashi Hospital
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小沢 俊総
Department of Surgery, Social Insurance Yamanashi Hospital