共引用クラスタリングによる研究分野の動的把握に向けた試論
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
研究開発競争が加速するなか,有望な研究領域を早期に把握することの重要性が増している.だが,有望な研究領域に属するテーマは成熟した学術領域ではなく,いまだ学術分野として確立していない萌芽的かつ融合的な領域に分布する公算が高いため,把握が難しい.そこで,本論文では,既存の学術分類を用いず,論文間の引用情報のみを用いることにより,萌芽的・融合的な学術分野を把握する手法を提案する.<br/> 共通の学術分野に属する論文は,共通する論文を引用するという仮説に基づき,共引用分析を用いて論文間の近接性を求めた.これを関係性として論文をノードとしたネットワークを構成した.さらに,Newman法によりドメイン分割を行うことで,従来論文誌レベルやキーワードレベルでしか把握できなかった研究分野の微細構造の評価が可能となった.この構造を基に,研究分野の発展の時系列把握,研究者の論文ポートフォリオの多様性の評価をした.