術前化学療法を行った非結核性抗酸菌感染を伴った肺分画症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は32歳,男性.尿管結石にて当院救急外来受診.その際撮影したX線写真で右下肺野に異常陰影を認め,当科を紹介された.胸部CTにて右肺下葉に腫瘤様の陰影と液体の貯留を伴う嚢胞性変化がみられ,また喀痰抗酸菌培養陽性であった.以上より非結核性抗酸菌感染を伴った肺分画症と診断した.治療は12週間の化学療法後,分画肺+右肺下葉切除術を行った.肺分画症に非結核性抗酸菌を合併した報告は比較的稀であるが,本症例では術前に化学療法を行うことによって,分画肺ならびにその周囲肺の感染をコントロールし,手術リスクを軽減することが出来たと考えられる.安全性を高める治療戦略として有効性が示唆される.
著者
-
石田 順造
社会医療法人峰和会鈴鹿回生病院
-
保坂 誠
社会医療法人峰和会鈴鹿回生病院
-
松島 康
社会医療法人峰和会鈴鹿回生病院
-
保坂 誠
社会医療法人峰和会鈴鹿回生病院呼吸器外科
-
松島 康
社会医療法人峰和会鈴鹿回生病院呼吸器外科
関連論文
- P7-2 気管支鏡被覆剥れによる術中気管支異物の1例(安全合併症,ポスター7,第35回日本呼吸器内視鏡学会学術集会)
- 術前化学療法を行った非結核性抗酸菌感染を伴った肺分画症の1例
- 気管支鏡被覆部脱落による術中気管支異物の1例