集学的治療を行ったSomatic-type malignancyを伴う縦隔原発胚細胞性腫瘍の1例
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概要
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背景:Somatic-type malignancyを伴う縦隔原発胚細胞性腫瘍は稀であり予後が不良とされている.症例:18歳男性.主訴は右前胸部痛.前縦隔に14×11 cmの腫瘍を指摘された.経皮的針生検で縦隔原発胚細胞性腫瘍と診断され,BEP療法(bleomycin, etoposide, cisplatin)を4コース施行した.腫瘍マーカー(AFP)は低下したが,頭部MRIで数ミリ大の多発転移を指摘された.縦隔の腫瘍は巨大で,脳以外の転移を認めないことから,脳転移に対しガンマナイフ治療後,縦隔腫瘍切除術,心嚢肺合併切除を行い,完全切除が可能であった.組織学的に大部分は成熟奇形腫で,免疫組織学的にgerm cell tumor with somatic-type malignancyと診断された.多発脳転移の再発に対して定位放射線照射を行い,その後再発病巣を認めていない.
著者
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澤藤 誠
Department of Thoracic Surgery, Kawasaki Municipal Hospital
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神山 育男
Department of Thoracic Surgery, Kawasaki Municipal Hospital