Wegener肉芽腫の空洞病変から発生した肺嚢胞が増大し気胸を発症した一例
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概要
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Wegener肉芽腫症加療中に気胸を発症した報告は散見するが,肺嚢胞が著明な増大を伴ったという報告は非常に少ない.症例:54歳女性.2009年12月,乾性咳嗽にて近医受診,胸部X線検査にて,左上肺野に空洞を伴う塊状影,右上肺野に浸潤影を認め,当院呼吸器内科受診した.気管支鏡検査にて,気管支壁に小結節が散在し,生検にて血管炎を伴う肉芽組織であり,C-ANCA陽性から,Wegener肉芽腫と診断,加療開始し外来通院していた.翌年8月,労作時呼吸困難を自覚し,胸部X線検査にて左肺嚢胞が左胸腔1/2を占めるほどの増大と気胸を発症し入院,手術を施行した.肺嚢胞壁は非常に薄壁で,空洞病変と交通しており,病変部を含め上葉切除した.術後経過は良好,現在,呼吸器内科外来通院中である.今回,Wegener肉芽腫の空洞病変から肺嚢胞が発生して増大し,気胸を発症した症例を我々は経験したので文献的考察を含め報告する.
著者
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一瀬 増太郎
Department of General Thoracic Surgery, National Hospital Organization Minami-Kyoto Hospital
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朝倉 庄志
Department of General Thoracic Surgery, Khoka Public Hospital
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北野 晴久
Department of General Thoracic Surgery, National Hospital Organization Minami-Kyoto Hospital