ヤーコン塊根のフルクトオリゴ糖含量とフルクタン分解酵素に対する低温減圧貯蔵の影響
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概要
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ヤーコンの塊根にはプレバイオティクス素材として注目されるフルクトオリゴ糖(FOS)が豊富に含まれているが,貯蔵中に内在性酵素によって分解され,その含量が著しく減少する.収穫後の塊根を長期に FOS を保持した状態で貯蔵することが可能になれば,健康維持・増進に向けた有効活用につながる.そこで,細胞の代謝活性を低下できる低温減圧条件に FOS の分解・減少を抑制する効果があるか調べた.ヤーコン塊根を 4°C下,常圧(1 気圧)もしくは減圧(0.7気圧)条件にて 1ヶ月間貯蔵したところ,常圧では FOS が顕著に減少したのに対し,減圧下では FOS の減少が抑制されていた.塊根内にて FOS 分解に寄与するフルクタン 1-加水分解酵素(1-FEH)およびスクロースを分解するインベルターゼ(INV)の活性についても調べたところ,いずれの酵素も常圧に比べて減圧では活性が低下しており,糖質代謝が抑制されて FOS が分解を受けずに保持されたことが明らかとなった.
著者
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奈良井(金山) 朝子
Nippon Veterinary and Life Science University
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時田 昇臣
Nippon Veterinary and Life Science University
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船山 敦子
Hitachi Appliance, Inc.
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麻生 慶一
Nippon Veterinary and Life Science University