水稲の生育差に及ぼす地温と日長の影響
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概要
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1997年,福井県内3個所の水稲圃場で微気象観測を行った.各圃場は,最大距離35kmと狭い地域に存在し,十分な水・肥培管理,類似の気象環境にありながら,発育速度に差が認められた.そこで,圃場によって微妙に異なる地温と日長に着目し,同要因が発育に及ぼす影響を,発育モデルSIMRIWを適用して分析した.結果として第一に,発育速度の指標ともなる葉齢が積算地温と強い線形関係をもつこと,第二に,気温と日長の関数である発育指標DVIによって葉齢を高いレベルで対数関数回帰でき,かつ気温の代わりに地温を用いると回帰の精度が上がること(r2値0.97),第三に,DVIの計算において日射量から算定した日長と,幼穂形成期までの温度として地温を用いることによって,狭い地域の生育差を説明できることを示した.
- 農業情報学会の論文
著者
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湯浅 佳織
Fukui Agricultural Experiment Station
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井上 健一
Fukui Agricultural Experiment Station
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菊沢 正裕
Fukui Prefectural University