「ラスタ・ベクタ変換」を用いた圃場図作成手法
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概要
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地域農業の担い手が直面している栽培管理事務作業を効率化する目的で,GIS(地理情報システム)互換の圃場図を用いた農業情報処理システムがいくつか提案されている.これらのシステムに必須である圃場図の作成作業は人手に頼っており,時間がかかるのが問題である.このため,ラスタ形式の地籍図2値化画像からベクタ形式の圃場図をPC(パーソナルコンピュータ)で自動作成できる「ラスタ・ベクタ変換」手法を開発した.本手法は,C#を用い,9,757*13,084ピクセルの地籍図2値化画像を用いて開発した.今回は画素追跡型のアルゴリズムを用いており,画像全体での「ラスタ・ベクタ変換」は効率が悪い.このため,画像全体をいくつかの画像に分割した後,順次処理することによって原画像の保持に要するメモリ量を削減し,効率化に努めた.「ラスタ・ベクタ変換」は分割画像毎に行ない,かつ高速化のためマルチスレッド化した.変換された圃場図を結合することで画像全体の圃場図を作成した.これらの手法により画像全体のPCによる「ラスタ・ベクタ変換」が6分で可能となり,かつ手動作成の12.3%の時間で圃場図が作成できた.別地域で本手法を検証したところ,圃場図の作成時間は手動作成時間の4.7%であった.よって本手法は,圃場図作成にかかる時間が大幅に短縮でき,農業GISのプログラム開発につながる.
著者
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長尾 智晴
Faculty of Environment and Information Sciences, Yokohama National University
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岡田 泰明
NARO Agricultural Research Center
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吉田 智一
NARO Agricultural Research Center