タグチメソッドとニューラルネットワークを組み合わせたコンバインの選別機構の設計手法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
タグチメソッドは,S/N比という指標が誤差因子(環境のばらつきなど)に対してロバストなシステムを設計することにおいて有用であることから,さまざまな製品の品質向上を図るために利用されている.この手法では,制御因子(設計因子)に各因子間の交互作用の小さいものを選定する必要があり,この点が手法を正しく適用するために重要となるが,あらかじめ全ての因子間の交互作用を実験的に求めることは現実的に不可能である.さて,ニューラルネットワーク(ANN)は,コンバインの選別機構のような非線形な系を記述できるという特徴をもち,さまざまな非線形システムの記述に用いられている.そこで本研究では,交互作用の小さい適切な制御因子を選定するために,ANNを用いてコンバインの選別機構をモデル化し,因子間の交互作用を明らかにした.適切な因子を選定した後,制御因子の要因効果を,構築したANNおよびL18直交表に基づく試験結果の両方より推定した.ANNより推定した制御因子の要因効果がL18直交表に基づく試験結果より推定したものよりも精度が高いという結果を得た.得られた制御因子の要因効果はコンバインの選別機構の設計において有効な指針となることがわかった.これらの結果により,提案するタグチメソッドとANNを組み合わせた設計手法の有用性を示した.
- 農業情報学会の論文
著者
-
村瀬 治比古
Osaka Prefecture University
-
村瀬 治比古
Osaka Prefecture University Graduate School of Agriculture and Biological Sciences Phytotronics and Sensibility Engineering Lab.
-
宮本 宗徳
Yanmar Agricultural Equipment Co., LTD.