韓国における農産物電子商取引の現状と発展方向
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概要
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韓国において電子商取引は,急速に拡大しており,特に農産物の流通構造の改善手段として政策的に推進されているし,新しいビジネス・モデルも登場している.農産物を電子商取引(B2C)する場合,卸売市場経由の慣行的取引よりも流通経路が短縮され,農家受け取り価格は20%程度高く,消費者価格は17%程度安くなるが,オンライン上での決済によるクレジットカードの手数料が新しい負担となっている.一方,大量取引(B2B)を促進するため,産地と卸売市場,物流センター間のEDIの導入も政策的に進められている.また,電子市場の構築を可能にするe-marketplaceを通じたB2Bも伸びている.電子商取引は,個人農家,農事組合法人,作目班,村単位で推進する形態など多様なモデルがそれぞれの特性を生かして開発されている.最近は,情報化モデル村を中心とする電子商取引も導入されている.しかし,そのような電子商取引が今後とも伸びて行くためには,安定的な配送のための流通体系の構築,規格化,多様な商品開発,物流費用の節減モデルの開発などが重要である.
- 農業情報学会の論文