がん性疼痛に対する持続くも膜下オピオイド鎮痛法に伴う神経病理学的所見
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概要
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くも膜下オピオイド鎮痛法 (ITO)に伴う脊髄神経細胞の変性壊死や脱髄などの脊髄, 神経障害に関して病理組織学的に研究された報告はきわめて少ない. ITOにより神経組織障害が引き起こされたとする報告とないとする報告があり, 意見の一致をみていない. 今回ITOを施行された7症例 (男性4名, 女性3名)の剖検材料を用いて神経病理学的に検討した. モルヒネとブピバカインの投与が6例, フェンタニルとブピバカインの投与が1例であり投与期間は6~345日である. モルヒネを長期間投与した2症例は高度の脊髄神経細胞の変性壊死, グリオーシスおよび後角, 後根の脱髄が認められたが, 短期間しか投与しなかった4症例およびフェンタニル投与例ではこれらの神経病理学的変化は認められなかった. ITOで使用したモルヒネの総投与量および投与期間と脊髄神経障害の程度には関連性があり, ITOによる神経障害には主としてモルヒネが関与していると考えられた.
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