在宅医療におけるがん疼痛治療の評価と治療の実態について
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概要
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【目的】在宅医療における高齢がん患者の疼痛治療の把握のため, 在宅医療に従事している医師にインターネット調査を行い323名から回答を得た. 75歳以上の高齢がん患者を認知機能低下を伴う(認知機能低下群), 伴わない患者群(認知機能正常群)に分け, 回答の差をχ2検定で検定した. 【結果】「患者はがんの痛みを適切に表現できる」と答えた医師の割合は認知機能低下群で有意に低く(p=0.0043), 「オピオイドの鎮痛効果の評価は困難」「オピオイドの調節は困難」と答えた割合は認知機能低下群で有意に高かった(いずれもp<0.0001). 【考察】疼痛治療は良好と感じている医師の割合は認知機能低下群で有意に低く(p<0.0001), 認知機能低下を伴う高齢者では, 痛みの評価とオピオイドの効果判定が困難であることにより適切な鎮痛が困難であると医師が考えていることが分かり, 認知機能低下を伴う高齢者への適切な対応が重要であることが考えられた.
著者
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的場 元弘
Palliative Care Division, National Cancer Center Hospital
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村上 敏史
Department of Palliative Medicine, Seirei Sakura Citizen Hospital
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岩瀬 哲
Department of Palliative Medicine, Research Hospital, The Institute of Medical Science, The University of Tokyo
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西川 満則
Department of Palliative Care, National Center for Geriatrics and Gerontology
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