海産自然毒中毒の最近の傾向
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概要
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我が国ではほとんどの魚介毒の検出・定量にマウス毒性試験が用いられる.欧米では,動物愛護に加えて高特異性,高感度,高精度,迅速化を目指した代替法が追求され,実用性の検証が進められている.すでに EU は貝毒の検査を LC-MS と HPLC で実施することを決定した.シガテラ魚類中毒では我々が提案する LC-MS 法機器分析に加えて,レセプター結合試験や ELISA 等の開発が進んでいる.古くから知られていながら未解明な中毒として,横紋筋融解症を紹介する.発生地域はヨーロッパ,北米,南米,アジアにまたがり,原因生物も海水魚,淡水魚,ザリガニと多様である.我が国ではアオブダイ中毒が代表例である.