北海道北西部におけるオオセグロカモメが繁殖する海岸沿いの屋根の特徴と巣の位置
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道北部の日本海側に位置する羽幌港・苫前港で2011年と2012年の6月にオオセグロカモメ Larus schistisagus が繁殖する屋根の特徴や巣の位置を調査した.2011年に 23巣,2012年に27巣が発見された.オオセグロカモメは屋根の特徴として,巣やヒナが落下しにくい平らな屋根や傾斜した雪止めのある屋根を好んだ.巣の位置として見通しがよく,すぐに飛び立てる屋根の縁を好み,2年とも同じ屋根の同じ位置に巣をつくった割合が59%あった.今後増大する可能性のある人間との軋轢に備えて,屋根の上における繁殖成績を明らかにし,天売島などの自然の繁殖地と比較することにより,繁殖地としての海岸沿いの屋根の質を評価することが必用である.