肺類基底細胞癌の1切除例
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概要
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背景.肺類基底細胞癌は大細胞癌の特殊型の1つであり,術前診断が困難である稀な組織型で予後不良であると報告されている.今回,我々は肺類基底細胞癌の1切除例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例.84歳男性.呼吸困難を契機に右肺結節を指摘.肺癌が疑われたため当科紹介.診断及び治療目的に肺楔状切除術を施行.術中迅速組織診にて低分化癌と診断されたが,術後病理組織所見により肺類基底細胞癌と確定診断された.全身状態を考慮し術後補助療法は施行せず,現在術後10ヶ月目で無再発生存中である.結論.肺類基底細胞癌の診断には詳細な免疫組織化学的検討が必要で,低分化癌や未分化癌と診断されていることが多いため,予後を含めその臨床像は正確に把握されるには至っていない.有用な診断や治療法の確立を含め,今後さらなる検討が必要である.
著者
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丁 奎光
関西労災病院消化器外科
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岩田 隆
関西労災病院心臓血管外科
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井上 英俊
関西労災病院心臓血管外科
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三浦 拓也
関西労災病院心臓血管外科
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花田 庄司
関西労災病院心臓血管外科
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戸田 道仁
関西労災病院心臓血管外科
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丁 奎光
関西労災病院心臓血管外科
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