アルミナ-ジルコニア触媒によるテトラフルオロメタン(PFC-14)およびヘキサフルオロエタン(PFC-116)の加水分解反応
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概要
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ベーマイトから調製したアルミナ−ジルコニア触媒を用いてテトラフルオロメタン(PFC-14)およびヘキサフルオロエタン(PFC-116)の加水分解反応を行った。このアルミナ−ジルコニア触媒はクロロペンタフルオロエタン(CFC-115)の加水分解速度が異なる二つの酸性質(酸性質(I)および酸性質(II))を持っている。これら2種類の酸性質のCFC-115の反応速度は酸性質(I)の方が酸性質(II)よりも速い。PFC-14の初期転化率はこれら2種類の酸性質の内の酸性質(I)の量と良い相関関係を示した。一方,PFC-116初期転化率は全酸量の傾向とよく一致した。酸性質に関する知見を得る目的でアルミナ−ジルコニア触媒を用いてBrönsted酸点上でのみ起こるイソプロピルベンゼンの接触分解反応を行った。その結果,酸性質(I)はLewis酸であり酸性質(II)はBrönsted酸であることが示唆された。このことからPFC-14の加水分解はLewis酸点上でのみで起こり,PFC-116の加水分解はLewis酸点上とBrönsted酸点上の両方で起こるものと考えられる。