超音波によるポリブタジエンスチレン及びメタクリル酸メチルのメカノケミカル共重合
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概要
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超音波照射によるポリブタジエンスチレン及びメタクリル酸メチル溶液系でのメカノケミカル・ブロック共重合反応について検討した. その結果, 次の事実が明らかになった.(1) メタクリル酸メチル溶液系の方がスチレン溶液系よりもより激しい分裂反応が起こっている. そして, 分裂速度定数<I>k<SUB>d</SUB></I>の値は, 前者の系で2.54×10<SUP>-7</SUP>sec<SUP>-1</SUP>, 後者で0.81×10<SUP>-7</SUP>sec<SUP>-1</SUP>であった.(2) メカノケミカル共重合の速度<I>R<SUB>p</SUB></I>は, いずれの系もポリブタジエン初濃度の増大とは逆に減少した. そして, メタクリル酸メチル溶液系での方がスチレン溶液系に比べて<I>R<SUB>p</SUB></I>がはるかに早かった. また,<I>R<SUB>p</SUB></I>は,<I>R<SUB>p</SUB></I>∝ [St] で示された.(3) 原試料ポリブタジエン中に残存していた重合触媒やその断片類が超音波エネルギーを受けて析出した.(4) メカノケミカル・ブロック共重合体の生成とその割合が確認された. また, 見掛けのブロック率<I>D<SUB>b</SUB></I>は, 約42%であった. なお, ポリマーの混和性の改善に関して一つの知見を得た.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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藤原 秀樹
Department of Applied Chemistry, Osaka Institute of Technology
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佐々木 勝浩
Department of Applied Chemistry, Osaka Institute of Technology
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保地 弘一
Department of Applied Chemistry, Osaka Institute of Technology
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後藤 邦夫
Department of Applied Chemistry, Osaka Institute of Technology