タイヤトラクション試験車及び基礎的実験結果
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概要
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タイヤの実路面上でのトラクション性能を測定・評価することは自動車の発進・加速・制動及び旋回性能の点から重要であり, これを測定するためにタイヤトラクション試験車を開発した.この試験車はタイヤのトラクション性能をすべり率と制動・駆動係数の関係, 横すべり角とサイドフォース係数・アライニングトルクの関係で測定できる特長を持つ.この試験車を利用して, 乾燥及び湿潤アスファルト路上と雪路上でのトラクション性能に対するタイヤトレッドの基本的パターンの影響を測定した結果, 次のような知見を得た.(1) 道路の状態の違いによるタイヤトラクション性能は, 乾燥状態では湿潤状態より大きく, 雪路上では前2者よりずっと小さい.(2) トレッドの縦方向の溝本数の影響については, いずれの路面状態でも溝本数が増加するほどトラクション性能は増加するが, ある溝本数で飽和する傾向がある.(3) 雪路上でのトレッドの溝角度については, 溝の角度がタイヤの進行方向に対して直角なパターンが良い.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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加賀 弘
The Yokohama Rubber Co. Ltd.
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前田 行男
The Yokohama Rubber Co. Ltd.
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松下 良弘
The Yokohama Rubber Co. Ltd.