2-シクロヘキシルジチオベンズイミダゾールによる早期加硫抑制の機構
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概要
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2-シクロヘキシルジチオベンズイミダゾール (CDTB) は, 2-メルカプトベンゾチアゾール (加硫促進剤MBT, 以下「MBT」と称す.) と速やかに反応して, 2-シクロヘキシルジチオベンゾチアゾール (CDB) と2-メルカプルベンズイミダゾール (MBI) とを生成した. CDBは早期加硫抑制効果の大きい加硫促進剤であり, MBIは更にCDBの早期加硫をリタードした.ジベンゾチアジルジスルフィド (加硫促進剤MBTS, 以下「MBTS」と称す.) とCDTBとの反応生成物は, CDBとジベンズイミダジルジスルフィド (DBID) であった. またスルフェンアミド系加硫促進剤とCDTBとの反応は, MBTあるいはMBTSとの場合に比較すると緩慢ではあったが, DBID, CDB及び適度の遅効性加硫促進剤であるシクロヘキシルチオアミンとを生成した.更に種々のチウラムジスルフィドとCDTBとの反応生成物は, シクロヘキシルチオカルバミルジスルフィド (CTDS) とDBIDであった.CTDSは早期加硫抑制効果の大きい加硫促進剤であり, DBIDはCTDSの早期加硫をリタードした.<BR>以上のことから, 硫黄加硫においてCDTBが早期加硫を抑制するのは, 早期加硫抑制効果を有するMBI, DBID, CDB, CTDSあるいはシクロヘキシルチオアミンなどを生成するためと推察した.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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河岡 豊
Shanshin Chemical Industry Co. Ltd.
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小田 英夫
Shanshin Chemical Industry Co. Ltd.
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河岡 日出夫
Shanshin Chemical Industry Co. Ltd.