ドセタキセルによるneoadjuvant chemotherapyによって血清CEA値の著明な低下を認めた乳房外Paget病の1例
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概要
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70歳,男性。当科初診の1年前より両下肢に浮腫が出現。2ヵ月前に左下肢蜂窩織炎で受診した際に,外陰部に紅斑と色素脱失斑を認めた。生検にてリンパ管の腫瘍塞栓像を伴う乳房外Paget病と診断した。初診時CEA値は23.2 ng/mlと高値であった。胸腹部CTとPET/CTでは転移を疑わせるリンパ節腫大や他臓器転移はみられなかったが,鼠径リンパ節生検で両側に転移を認めた。ドセタキセルによる化学療法にてCEA値が正常化し,腫瘍広汎切除と両鼠径リンパ節郭清を施行した。病理組織像では,腫瘍細胞が主として表皮内に胞巣を形成し,真皮への浸潤はごく一部のみであった。右鼠径部ではクロケットリンパ節まで転移を認めた。術後1年間外来通院でドセタキセルによる化学療法を継続した。術後1年の時点では再発転移を認めず,CEA値も正常範囲を維持している。本症例ではneoaduvant chemotherapyを含めたドセタキセルによる化学療法が有効であったと考えられた。
著者
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太田 馨
関西医科大学皮膚科
-
太田 安紀
関西医科大学皮膚科学教室
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爲政 大幾
関西医科大学皮膚科
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岡本 祐之
関西医科大学 皮膚科
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是枝 哲
関西医科大学皮膚科
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大橋 苑子
関西医科大学皮膚科学教室
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岡本 祐之
関西医科大学皮膚科学教室
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上尾 礼子
関西医科大学皮膚科学教室
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豊永 三恵子
関西医科大学皮膚科学教室
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