「しんかい6500」に搭載されたサブボトムプロファイラを用いたマリアナトラフ背弧拡大軸付近の表層堆積物観察
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概要
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マリアナトラフ背弧拡大軸17°N付近では, 枕状溶岩とシート状溶岩の2種が分布しており, それぞれ拡大軸谷端, 中央に分布している. これらは, 溶岩噴出量の違いを示唆しているとともに, 形成年代の変化も示している可能性がある. 本稿では, YK08-08 Leg.1航海で行われた, 「しんかい6500」に搭載したサブボトムプロファイラの観測結果を報告する. 行われた3潜航 (拡大軸西側斜面でのDive #1088と#1090, 拡大軸東側斜面での#1089) のSBPデータと潜水船外写真を照らし合わせ, 表層堆積物を観測した. その結果, #1088は, 表層堆積物をほとんど認識できないことから, 新しい溶岩流であることが推定できた. #1089は, 堆積層厚も明瞭に観測され, 堆積層中に基盤面と平行な反射面も識別できた. #1090では, 各地点の目視観察で堆積物の被覆を認識できたが, SBPでは堆積層厚を識別できなかった. したがって#1089の斜面より堆積層が薄いと考えられる. これら3潜航測線下の溶岩流は#1089, #1090, #1088付近の順に形成された可能性がある.
著者
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富士原 敏也
海洋研究開発機構
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海野 進
金沢大学自然システム学系
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富士原 敏也
海洋研究開発機構地球内部変動研究センター
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小池 悠己
高知大学大学院理学研究科
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浅田 美穂
東京大学海洋研究所
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岡田 聡
日本海洋事業
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