頚動脈内膜剥離術後に生じた血管解離に対するステント留置術:症例報告
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概要
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【目的】頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy,以下CEA)後に生じた遠位端の血管解離に対し,頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting,以下CAS)により治療を行った症例を報告する.【症例】64歳男性.症候性頚部頚動脈狭窄症に対しCEAを施行した.術後経過に問題はなかったが,MRA,3D-CTAにてCEA施行部の1cm遠位部にentryを有する血管解離を認めた.Entryはstump pressure測定の際に行った動脈穿刺部に一致していた.保存的治療にて無症候に経過するも,フォローアップの画像にて解離腔の拡大を認めたために,CASを施行し解離を修復した.【結論】CEA後に生じる血管解離に対するCASは有効な治療である.3D-CTA等の画像診断によりtrue lumenの位置を把握し,entry部をステントで完全にカバーすることが重要である.Filter protection deviceは,術中造影が可能でステントの正確な位置決めに有用であった.
著者
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山下 健太郎
朝日大学歯学部付属村上記念病院 脳神経外科
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石澤 錠二
朝日大学歯学部付属村上記念病院 脳神経外科
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郭 泰彦
朝日大学歯学部付属村上記念病院 脳神経外科
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初田 直樹
朝日大学歯学部付属村上記念病院 脳神経外科
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安藤 隆
朝日大学歯学部付属村上記念病院 脳神経外科