逆流性食道炎の危険因子の検討-メタボリックシンドローム,症状に関連しての検討-
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概要
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目的:一般健常者における逆流性食道炎の危険因子をメタボリックシンドロームを含めた生活習慣病,逆流症状との関係を中心に検討したので報告する.方法:対象は2003年1月から2008年11月までに人間ドックを受診し,上部消化管内視鏡検査を施行した1,531人(男性:884人,女性:647人).上部消化管術後症例,上部消化管疾患,高血圧,脂質異常症,糖尿病,高尿酸血症の内服治療症例,ウィルス性肝疾患,慢性肝疾患は除外して検討した.結果:逆流性食道炎は男性に多く認められ,中心性肥満,メタボリックシンドローム,喫煙が危険因子であった.逆流症状と逆流性食道炎の検討では,胸やけを有する症例に有意に逆流性食道炎を認め,上部消化管症状の数が多い症例ほど有意に逆流性食道炎を認めた.結論:胸やけ等の症状を有する場合は上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎の有無の確認が望ましいと考えられる.逆流性食道炎と診断され,中心性肥満,メタボリックシンドロームを認める場合は,栄養指導や運動指導が重要と考えられる.また,禁煙指導も併せて重要であると考えられる.