人間ドックにおける原発性副甲状腺機能亢進症のスクリーニング
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概要
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目的:人間ドックにおいて高カルシウム(Ca)血症を呈した受診者から原発性副甲状腺機能亢進症のスクリーニングを行った.方法:1995年7月より2010年12月までの人間ドック受診者を対象とした.血清Ca,リンおよびアルブミン(Alb)値は自動分析機を用いて測定した.原発性副甲状腺機能亢進症のスクリーニングは,血清Ca値が高値(≧10.4mg/dL)を呈する症例に対して行った.このうち血清Alb値による補正Ca(cCa)値が高値(≧10.4mg/dL)を呈した症例に副甲状腺ホルモン(PTH)の測定を行った.また2001年7月から2010年12月までの人間ドック受診者について原発性副甲状腺機能亢進症と高Ca血症との関係について分析した.成績:1995年7月から2010年10月までの人間ドック受診者総数は1,936例,男性1,324例,女性612例で男性/女性比2.2であった.高Ca血症かつ高cCa血症を示した症例は2例あり,第1例は人間ドック開始時より817例目,第2例は1,737例目(症例1より920例目)で,2例ともPTH高値より原発性副甲状腺機能亢進症と診断した.2001年7月から2010年12月までの人間ドック受診者は1,615例で,高Ca血症を24例(1.5%),高cCa血症を3例に認めた.高cCa血症の中には原発性副甲状腺機能亢進症の2例(症例1および症例2)の他に多発性骨髄腫の1例が含まれていた.結論:人間ドックにおいて原発性副甲状腺機能亢進症のスクリーニングを行い817例目および1,737例目に本症を認めた.人間ドックにおいては約1/1,000の頻度で原発性副甲状腺機能亢進症が発見される可能性がある.
著者
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高橋 毅
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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豊永 哲至
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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久田 正直
国立病院機構熊本医療センター 臨床検査科
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東 輝一朗
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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児玉 章子
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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島川 明子
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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嶋田 さやか
国立病院機構熊本医療センター 糖尿病・内分泌内科
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一瀬 康浩
国立病院機構熊本医療センター 臨床検査科
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江角 誠
国立病院機構熊本医療センター 臨床検査科
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鶴田 敏久
国立病院機構熊本医療センター 臨床検査科
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