当院における経鼻内視鏡胃検診の現状と経鼻内視鏡の診断能を向上させるための工夫
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概要
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目的:経鼻内視鏡検査に用いる極細径スコープにはcharged coupled device(CCD)の小型化による画像解像度の低下,管路系が細くなったための送気・送水性能やレンズ洗浄性能の低下,反転での生検が困難といった問題がみられる.今回は当院人間ドック・健診における経鼻内視鏡胃検診の現状を報告するとともに,筆者らが行っている経鼻内視鏡の診断能を向上させるための工夫の検討を行った.対象と方法:2004年10月の経鼻内視鏡導入後の人間ドック・健診における受診者の動向を評価した.ガスコン水150mL法や生検鉗子の把持法の工夫,経鼻専用鉗子の採用といった工夫を加え,2006年4月1日より2010年3月31日までの4年間に行った9,834件について胃がん発見率と偽陰性率で診断能を検討した.結果:胃エックス線検査は漸減,経鼻内視鏡検査が49%を占めるに至った.胃がん発見率は0.21%,早期胃がん率76.2%,偽陰性率は28.6%であった.結論:極細径スコープ性能の診断能を向上させる工夫を加えていけば,胃がん発見率・偽陰性率に経口内視鏡との差はないと考えられた.その受容性の高さと相俟って,経鼻内視鏡はスクリーニングに積極的に活用すべきデバイスと考えられる.
著者
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