人間ドック受診者における食習慣の傾向と検査データとの比較
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概要
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目的:生活習慣病を予防するためには,メタボリックシンドロームを早期に把握し,食習慣の改善を中心とした行動変容へと結びつける必要がある.その前段階として,食習慣の傾向とメタボリックシンドローム関連検査項目との間にどのような関係があるのかを比較検討した.方法:平成21年度に当院人間ドックを受けた40~69歳の男性1,335名,女性570名を対象とした.「食事内容チェック表」による食習慣と,BMI,腹囲,中性脂肪,HDL-C,LDL-C,FBS,HbA1c,収縮時血圧,拡張期血圧とを比較した.男女による食習慣の違い,検査データと食習慣の関連性を多重ロジスティック回帰分析により検討した.結果:「組み合わせを考える」,「果物」,「植物油」,「甘いもの好き」は女性に多く,「塩辛いもの好き」,「汁を飲み干す」は男性に多かった.男女とも「腹八分目」はBMI,腹囲の正常化,「腹八分目」+「組み合わせを考える」はLDL-Cの正常化,「甘いもの好き」はHbA1c上昇と関連していた.「牛乳毎日」が男性では中性脂肪とHDL-Cの正常化と,女性ではLDL-C値の上昇と関連していた.男性では「外食が多い」,「塩辛いもの好き」,「果物を食べない」が肥満や脂質異常と関連していた.結論:食習慣傾向と検査データとの間には明瞭な関連性のあることが確認された.今後の保健指導に役立てたい.
著者
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武田 寛樹
医療法人社団慶友会吉田病院
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吉田 威
慶友会吉田病院
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吉田 慶子
慶友会吉田病院 健康相談センター
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綱島 素子
慶友会吉田病院 健康相談センター
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武田 寛樹
慶友会吉田病院 健康相談センター
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横田 欽一
慶友会吉田病院 健康相談センター
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大西 詔子
慶友会吉田病院 健康相談センター
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海野 美奈子
慶友会吉田病院 健康相談センター
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奥山 佳緒梨
慶友会吉田病院 健康相談センター
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鈴木 沙緒里
慶友会吉田病院 健康相談センター
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吉田 良子
慶友会吉田病院 健康相談センター
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