特定保健指導による諸指標変化の検討
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概要
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目的:特定保健指導による諸指標の変化を検討した.方法:小倉医師会健診センターで特定保健指導を実施後,次年度特定健診を受けた同一受診者420名(男性236名,女性184名)を対象として体重(腹囲)変化に伴う血圧,脂質代謝,糖代謝の変化を検討した.結果:受診者全体では,保健指導により体重・腹囲ともにそれぞれ平均1.5kg,1.6cm有意に減少した.このうち体重減少群(n=236:平均-3.4kg)は収縮期血圧(133.7→129.8mmHg,p<0.001)・拡張期血圧(78.3→76.3mmHg,p=0.005)ともに下降,脂質代謝は中性脂肪値減少(150.2→130.4mg/dL,p<0.001)とHDLコレステロール値上昇(55.7→57.6mg/dL,p<0.001)したが,糖代謝には有意変化を認めなかった.一方,体重増加群(n=66:平均+2.3kg)は中性脂肪値増加とHDLコレステロール値減少傾向,糖代謝ではHbA1c(JDS)値の有意な上昇を認めた(5.42→5.57%,p<0.001).結論:保健指導後,受診者全体では体重・腹囲の有意な減少を認めた.さらに約5%の体重減少群で血圧下降,脂質代謝の改善,体重増加群では脂質・糖代謝の悪化を認め,特定保健指導による体重(腹囲)減少は生活習慣病発症抑制に有用と思われる.
著者
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田中 裕
北九州市医師会健康推進対策委員会
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合馬 紘
北九州市医師会
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今渡 龍一郎
北九州市小倉医師会健診センター
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小川 雅克
北九州市小倉医師会健診センター
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濱生 由衣
北九州市小倉医師会健診センター
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北原 尚美
北九州市小倉医師会健診センター
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宇野 卓也
北九州市小倉医師会
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鍵山 明弘
北九州市医師会健康推進対策委員会
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