メタボリックシンドロームの診断および重症化の指標としての肝機能検査
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概要
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目的:メタボリックシンドローム(MetS)早期に関連するインスリン抵抗性の指標としてhomeostasis model assessment of insulin resistance(HOMA-R)を,心血管疾患リスク進展の指標として高感度CRP(hsCRP)を用いて,MetS早期の診断および重症化の指標としての肝機能検査の有効性を検証することを目的とした.方法:東海大学八王子病院の人間ドック初回受診者4,906人中,高血圧,糖尿病,脂質異常症,肝疾患治療中,大血管障害の既往者,肝炎ウイルス陽性者を除外し,現在飲酒習慣のない1,687人を対象とした.ステップワイズ法による重回帰分析でHOMA-RやhsCRPと関連の強い項目を選択し,対象者をMetSと肝機能異常有無により分類して臨床的特徴を比較した.結果:重回帰分析により,HOMA-RはFPG,BMI,ALT,SBP,TG,hsCRPはγ-GT,BMI,HDL-Cと有意な関連を認めた.HOMA-RはMetSとALT異常有無により,hsCRPはMetSとγ-GT異常有無により区別可能であった.さらにMetSでALT異常者をγ-GT異常の有無で分類するとHOMA-R・hsCRPともに高い群を抽出できた.結論:HOMA-RにはALTが,hsCRPにはγ-GTが関連しており,MetS有無に加えてALTとγ-GT異常の有無を評価に加えることで,それぞれMetS早期の診断および重症化の指標として役立つと考えられた.
著者
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稲邊 富実代
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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高橋 英孝
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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山田 千積
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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三橋 敏武
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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平塚 伸
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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新井田 奈美
東海大学医学部 基盤診療学系健康管理学
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