冠攣縮誘発試験時にBrugada様心電図変化を呈した冠攣縮性狭心症の1例
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概要
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症例は60歳代,男性.自動車運転中の失神が原因で事故が発生し,当院へ搬送された.入院時心電図異常なし.連続心電図モニターで異常なし.神経学的異常なく,head-up tilt試験も陰性であった.冠動脈造影では有意な器質的狭窄を認めなかったが,右冠動脈へのアセチルコリン負荷時に,胸痛を伴うV1~3のcoved type ST上昇あり,血管造影上は円錐枝および右室枝の著明な攣縮を認めた.心電図波形からBrugada症候群の合併を疑い,電気生理学的検査を施行したが不整脈は誘発されず,ピルジカイニド負荷試験も陰性で,Brugada症候群は否定的と考えられた.以上の所見から冠攣縮性狭心症による失神が最も疑われた.本症例は,冠攣縮により生じた右室流出路の虚血によりBrugada様の心電図変化を呈し得ることを示したものであり,貴重な症例と考え報告した.
著者
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伊藤 健太
東北大学病院 血液免疫科
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下川 宏明
東北大学病院循環器内科
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福田 浩二
東北大学病院循環器内科
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下川 宏明
東北大学病院 放射線部
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武田 守彦
東北大学病院 血液免疫科
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高橋 潤
東北大学病院循環器内科
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加賀谷 豊
東北大学病院卒後研修センター
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中山 雅晴
東北大学病院循環器内科
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安田 聡
東北大学病院循環器内科
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眞野 唯
東北大学病院循環器内科
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近藤 正輝
東北大学病院循環器内科
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