外傷を契機に発症し, 心室細動にいたった冠攣縮性狭心症の1例
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概要
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症例は52歳, 男性. 生来健康で, 胸痛の既往なし. 屋根から誤って転落し, 近医へ搬送された. 右上腕骨折, 縦隔血腫を疑われ, 精査加療目的にて, 当院転院搬送となった. 来院時, 心電図にて広範囲にST上昇を認めたが, 症状を伴わず, STは自然に改善した. 心エコー, 血液検査にて異常を認めず, 外傷の精査を優先した. 各検査後, 強い胸痛を訴えた後に失神した. 心電図にて心室細動(VF)を認め, 電気的除細動を施行し洞調律に復した. 一時落ち着いたが, しばらくして再び胸痛が出現, 心電図にてST上昇から心室性期外収縮の頻発をきたした後に, VFが再発した. 緊急冠動脈造影にて左冠動脈前下行枝の75%狭窄を認め, 冠攣縮性狭心症(VSA)と診断した. ニコランジル/ジルチアゼムの導入後, 胸痛の再発は認めなかった. エルゴメトリン負荷試験にて負荷陽性を認め, さらに硝酸薬を追加した. 外傷を契機に発症し, VFにいたったVSAの1例を経験したので報告する.
著者
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松原 広己
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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三河内 弘
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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宮地 克維
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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重歳 正尚
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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宮地 晃平
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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大西 由佳里
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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森 あい子
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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溝口 博喜
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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木村 英夫
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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宗政 充
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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藤本 良久
独立行政法人国立病院機構岡山医療センター循環器科
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