多自然川づくりとは何だったのか?
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概要
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1990年に建設省が各地方建設局に通達した「多自然型川づくり」の推進は,従来にない環境配慮型の川づくりを目指したものであった.この方針は1997年の改正河川法に取り入れられ,さらに2006年には「多自然川づくり」と改称され,現在にいたっている.この方針のもと,全国各地の河川でさまざまな人工構造物が設置されてきた.本稿では,過去20数年間に行われた環境配慮型河川改修の諸事例を分類・整理することで「多自然(型)川づくり」の実態を把握し,それらが河川関係者の間に大きな混乱をもたらした状況について,その背景を考察する.