ペルー・アンデスの大規模地すべりと人びとのくらし
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概要
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南米ペルーの中央アンデスには,標高4,000 mを上回る広大な高原であるプナ(アルチプラノ)が広がる.一方,プナは深さ2,000 m以上の河谷に刻まれる.広い高原と深い河谷という,二つの対照的な地形はインカ時代,あるいはそれ以前のプレ・インカ時代から集落の形成や農耕・牧畜の発達など,中央アンデスの人間生活に有形無形の影響を与えてきた.特に,プナを刻む深い河谷の谷壁には巨大な地すべりが随所に発達し,緩傾斜地をもたらしている.それらの地すべり地は集落や耕地として選択的に利用されてきた.本稿では,ペルー南部のアレキーパ県コタワシやプイカ周辺において,プナの縁や河谷の谷壁で認められる大規模地すべりに着目し,その発達過程や現在の様相を述べる.また人間生活との関わりも論述する.