給食の完食とブラッシング行動に関する自己効力感尺度の開発―給食時間における小学校高学年児童の健康行動評価― : 給食時間における小学校高学年児童の健康行動評価
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概要
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目的:本研究は,児童期の子どもの給食時間における健康行動として,給食を残さず食べる行動(以下給食完食)と,食後のブラッシングをとりあげ,自己効力感に関する質問紙を作成し,その信頼性と妥当性を検討すること,および行動変容段階との関係を知ることを目的とした.方法:2008年7月兵庫県内6市の公立小学校7校の5,6年生児童880名を対象に質問紙調査を行った.因子分析による項目選定の後,内的整合性,再検査による尺度得点の相関,検証的因子分析における適合度の確認により,尺度の信頼性と構成概念妥当性を検討した.また,尺度得点に関する一元配置の分散分析により,再カテゴリー化した行動変容段階との関係を調べた.結果:因子分析により給食完食6項目,ブラッシング4項目の自己効力感尺度が得られ,クロンバックのα係数は,給食完食が0.81,ブラッシングが0.81であった.再検査による尺度得点の相関係数(Pearsonのr)は,給食完食がr=0.84,ブラッシングがr=0.67(ともにp<0.01)であった.また,検証的因子分析後の適合度指標は,給食完食GFI=0.974,AGFI=0.961,CFI=0.966,RMSEA=0.055,ブラッシングGFI=0.981,AGFI=0.961,CFI=0.976,RMSEA=0.062であった.尺度得点に関する分散分析では,再カテゴリー化した行動変容段階の主効果が認められ(給食完食<I>F</I>(2/846)=155.16,ブラッシング<I>F</I>(2/791)=50.98,p<0.001),段階が後期に移行するにしたがって自己効力感が高くなる傾向が得られた.結論:作成した給食の完食とブラッシング行動に関する自己効力感尺度について,その信頼性と妥当性が確認され,本尺度の使用可能性が示された.また,行動変容段階との関係については,理論に合致した結果が得られた.
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