脊髄刺激療法施行症例における新たな脊髄刺激トライアル
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概要
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脊髄刺激装置植込術後にも強い痛みが残存する場合や経過中痛みの部位に刺激が得られなくなる場合がある.このような状況で新たにリード線を挿入し痛みの部位すべてが刺激で被覆された結果顕著な鎮痛効果を得た3症例を紹介する.下肢の複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS),腰椎手術後の腰下肢痛,腰部脊柱管狭窄症の3症例であった.いずれも脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)が行われていたが,CRPS症例においては経過中に痛みの部位に刺激が得られなくなり,腰椎手術後,脊柱管狭窄症の2症例では強い腰下肢痛がSCS開始後にも残存していた.3症例において抗菌薬投与下に新たなリード線を追加しトライアルを行ったところ,残存する痛みが1/2以下となった.後日トライアルに基づいて脊髄刺激装置植込術を行い満足しうる鎮痛効果を得た.感染のリスクを低下させるためトライアル期間を1日間としたが,SCSを経験した症例では短期間であっても効果を適切に評価できる可能性が高い.脊髄刺激装置の機能的進歩もあるため,SCSにより十分な鎮痛効果が得られなくなった症例においても新たにトライアルを行う意義がある.
著者
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