賠償責任保険における直接請求権
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
保険法17条2項は，責任保険について，「被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するものをいう」と定義する。したがって，責任保険は加害者の保護を第一義的な目的とする保険である。その一方で，この保険には被害者保護機能がある。本稿は，保険金からの優先的な被害の回復の制度として当初検討されていた被害者の保険者に対する直接請求権の制度について概観し，なぜこの制度が立法化されずに保険法22条では特別の先取特権の制度が定められることとなったのかという点について，両者の比較を行いつつ，先取特権の制度を導入することの意義と問題点を明らかにし，同条によって被害者を保護することについて検討する。
著者
関連論文
- 賠償責任保険における直接請求権 (保険法特集--立法化されなかった論点)
- 既存の保険契約に対する契約条件変更
- 生命保険相互会社の株式会社化についての法的考察
- 傷害保険における事故の偶然性について
- 傷害保険における事故の外来性の証明について
- 保険金受取人の指定変更の効力について--公序良俗に反する指定変更をめぐって
- 傷害保険金請求における事故の偶然性の証明
- 保険金受取人指定の法的性質--公序良俗に反する指定をめぐって
- 相互会社の法的構造と社員の地位
- 相互会社の株式会社化と社員の権利
- 会社法14条1項所定の使用人の代理権
- 商法四三条所定の商業使用人の代利権
- 事故が偶然であるということの事実上の推定について
- 災害割増特約約款における別表の意義について
- 保険金請求権に対する質権の設定
- 保険・海商・航空法 (特集 学界回顧2012)
- 保険・海商・航空法 (特集 学界回顧2011)
- 賠償責任保険における直接請求権