定額保険における現物給付
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概要
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保険法制定過程において議論された,定額保険の現物給付を認めるべきか否かという論点については,結局否定されたものの,理論上の帰結ではなく,今後の議論の進展に委ねるものとして先送りされたものと理解される。今後の高齢化社会への対応の必要性等を考慮すれば,商品の多様化は顧客たる保険加入者の利益とも合致しうるものであり,契約法レベルで否定すべきではないように思われる。しかしながら,保険法制定過程において示されたように,金銭以外の財産やサービス等を保険給付の内容とすることには,保険契約者保護や保険事業の健全性確保といった観点から,問題も少なからず存在しており,とりわけ長期契約であることによる弊害を防止するための監督法的な規制による対応が十分に図られることが必要である。
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