後発開発途上国からの農作物の開発輸入とファイナンス
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概要
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我が国の食料自給率が低位にて推移する中で,近年においては日本企業によるメコン地域の後発開発途上国からの農作物輸入への取り組みが始まっている.しかしながら,後発開発途上国からの輸入については課題が多く,特にカンボジアからの農作物輸入についてみると,1)農業関連の大手企業が存在しないこと,2)農業関連公的団体等の組織化が遅れていること,3)農業技術の普及が遅れていること,4)法制度整備と執行能力が不十分であること,5)インフラの整備が遅れていることなどから,現時点においては,日本企業による買付輸入や委託輸入は困難である.また,同国の金融市場の未成熟に起因する農業分野への資金供給面の制約から,ファイナンスの供与も含めた開発輸入が求められている.