頸部食道からの陥入と考えられた気管異物症例
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概要
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症例は,67歳女性。主訴は1か月前からの呼吸困難。声門下に白色病変を認め,気道の狭窄が著明であった。持参したCTでは頸部気管に腫瘤性病変を認めた。当院受診当日,緊急気管切開術を行った。気管切開孔から硬性内視鏡にて観察したところ,肉芽様病変と魚骨の異物を認めたため,摘出術を行った。術後の詳細な問診では,1年半前に,鯛を食べた直後に激しい咽頭痛が出現したが,激しい咳嗽のエピソードは認めなかった。米飯の丸呑み後に咽頭痛は軽快したため,医療機関への受診はしなかった。手術後に前医より届いた追加のCTでは頸部気管に異物ならびに異物の下端に肉芽を疑う腫瘤陰影を認めた。