中小規模病院でのClostridium difficile infectionアウトブレイクに対するケアバンドルの効果
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概要
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2009年6月より中小規模二次救急病院(4病棟;病床数180床)にてClostridium difficile Infection(CDI)患者数の増加を認めた.一般的な接触感染対策を行ったが抑制されないため2010年4月からケアバンドルを柱とした全病院的キャンペーンを開始した.院内発症の急性下痢患者はCDI疑い患者として対応し,病院職員は患者接触前後の流水と石けんによる手洗い,および患者接触時の手袋・ガウンの着用を開始した.CDI患者の個室またはコホート隔離を徹底し,CDIおよび疑い患者に使用する体温計,血圧計,パルスオキシメーター,聴診器は個人使用とした.CDI患者の病室は5000 ppmの次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行い,また経管栄養方法についても見直しを行った.計3回の全体研修会を行い全病院職員に教育および周知を行った.その結果,介入前(2009年8月~2010年3月)に比較して介入後(2010年6月~2011年1月)は全病院のCDI感染率の低下を認めた(前2.2,後0.68 cases/1000 patient-days, 95%CI; 0.19-0.49).CDI感染率の低下は4病棟中3病棟にてみられた.ケアバンドルを用いた全病院的キャンペーンは中小規模病院でのCDIのアウトブレイクを抑制するのに有用な方法と考えられる.
著者
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池上 陽久
南砺市民病院薬剤科
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米山 宏
南砺市民病院 インフェクションコントロールチーム
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池田 ひろみ
南砺市民病院 インフェクションコントロールチーム
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池上 陽久
南砺市民病院 インフェクションコントロールチーム
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